死刑判決を受けた息子を持つ男、その息子と獄中結婚した女。その家庭に一体何が起きたのか。
とにかく三浦友和演じる昔気質な頑固親父のモラハラ・パワハラ・DVオンパレードな地獄のような家庭描写が最悪で良かった。異常な父親みたいな描写ではなくて、今の日本でもわりと存在してそうだと思わせるリアリティがあるのが嫌な感じに拍車をかけていてイイ。
「こんな父親嫌だ〜」と思わせる細かい描写がいちいち上手くて、親父のそんな仕草を見るたびに観ている側からするとなぜか笑いが込み上げてくる。題材としては全く笑い事ではないんだけど。
若葉竜也の自然な演技も上手いし、端々に父親の影響を感じさせる台詞も絶妙で、この家庭で育ったらこうなるよなと思わせる説得力があった。
題材は重く、観た後にどんよりする気分になることは確実なんだけど、ブラックな笑いも内包している奇妙な映画。