きゃんちょめ

葛城事件のきゃんちょめのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
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【狂ったイノシシの殺処分としての死刑肯定論】

葛城稔「俺そもそも、謝罪するつもりなんて一切ないから。ていうかそもそも罪を犯したという意識すらないから。だってさ、もし渋谷のスクランブル交差点にさ、頭の狂った巨大なイノシシが出現してさ、それであの人混みの中を暴走してさ、バカみたいな若造跳ね飛ばして死者15名みたいなね、え、言ってること分かる?しょうがないと思わない?そういう事故が起こったら。だって狂ったイノシシだよ。そんなの、被害者だって被害者の家族だって諦めるしかないでしょ。あとはその狂ったイノシシ捕まえて殺処分するだけの話だよね。あ、そう、だから、俺が起こしたのは事故だよね、事件じゃなくて。いやそりゃ、暴走したイノシシに巻き込まれた人たちは不幸だと思いますよ。でも可哀想だとは思いませんね。そういうことでいちいち悲しんでいたら普通に生きていけないですよ。だって自分だって道、普通に歩いててアリとか普通に踏んづけて何匹も殺してるからね。知らないあいだに。そういうこと分かってんのかな、みんな。まぁいいや。あと何分かな。なんか喉乾いてきちゃった。素朴な疑問だけどさ、女の人ってオナニーとかすんの。いや別にやらしい意味じゃなくて、あれね、もっと生物学的なアレで聞いてるんだけど。まぁいいや。じゃあさ、そんなに意味が欲しいならさ、こういうのはどう?10代、20代をろくに努力もせずに、怠けて過ごして生きてきたバカが、30手前で人生終わった状態になってることに気づいて発狂して、人生を謳歌する他者を妬み嫉みで自殺の道連れにして、あさはかに暴れた。そういう動機、誰かの聞きかじりだけど。驚くくらいナルシストで、無気力で、この不遇な人生はきっと俺ではない誰かのせいで、逆境に立ち向かう心の強さは一ミリもなく、聞き齧った言葉を切り貼りして言い訳ばかりで、饒舌に長け、クソみたいな自己顕示欲に溺れたクソみたいな人間です、私は!分かった?俺のこと。俺のことが知りたかったんだろ。これが俺の全てだよ。そういう風に分類しておけよ。そのほうが安心だろ?お宅らも。」
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