いなだ

イーハトーブ幻想~KENjIの春のいなだのレビュー・感想・評価

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宮沢賢治の人生と作品世界が響き合う、素晴らしいアニメーションだった そう、彼の作品は“叶わなかった祈り”なんだ……思い入れが強い作家ということもあり、観てて涙ぐんでしまった。

賢治猫がすごく怖い顔をしながらイメージの洪水を手帳に書き留めようとするシーンが印象的で、賢治の作品から得体の知れない怖さを感じるけど、彼も自分で受け止めきれないくらい、大きなエネルギーを感じてたんじゃないかと思えた。現実では夢想家、変わり者だと思われ、理解者とは離別し、死を強く意識し負の感情に引っ張られながらももがいて生きた葛藤と挫折、その経験が独自の宇宙観と混ざり合って、強い引力を持った作品が生まれた。
表面的な理解かもしれないけど、ゴッホとか、しばしば狂気と形容されるような、周囲の誤解を受けながらも一つの理想を追い求めて生きた、霊視的な感覚を持つ芸術家(人生と芸術が分けられない状態にある人)にどーしても自分は惹かれてしまうんだよな〜 
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