オリジナル版は『邪淫の館 獣人』の元になる短編もあっての五話構成。ヴァレリアン・ボロヴツィクの映像美に唸りながら改めて見て、セルゲイ・パラジャーノフの影響はそれなりにあるんじゃないのかと思った。近親相姦や獣姦、血の伯爵夫人、倫理道徳を超えたエロスの果て。セリフ、物語ではない世界観でここまで押し切れるのは圧倒されるよボロヴツィク、西洋画のようなどこを切り取っても絵になるカット、たからといって芸術ですからとお高くとまるわけでもなく根本にあるのは暴力とセックス。素晴らしいね。
ロメール組のファブリス・ルキーニがフェラチオされているのは、なんだかムズムズしたり。ピカソの娘、ティファニーのデザイナーもしていたパロマ・ピカソが珍しく出演していて、彼女が血の風呂に入るキチガイな伯爵夫人を演じているのがまた凄いというか、「赤色」に取り憑かれている人生。