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花物語バビロンのgesuのネタバレレビュー・内容・結末

花物語バビロン(1997年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ソフト化しない、サブスク配信しない、自主配給自主製作自主プロモーションの映像制作集団空族のサウダーヂ10周年、デジタルリマスター再公開からの過去作特集で超初期作も併せて公開、ありがたきアップリンク。
アジア裏経済3部作の2作目バビロン2も連続で上映という太っ腹。
上映後、富田相澤両氏の舞台挨拶あり。
8mmの映像と映し出される資料文書と英語読み上げと主人公のセリフが交錯しその情報量にすぐに追いつけなくなる。
テーマは麻薬。特にアジアの歴史的成り立ちと占領した宗主国の行いを通したもの。
ストーリーとしては日本で嫌なことのあった日本の若者が、アジアを漂流する中である夢を見て…という流れだが。
挨拶でもあったとおり撮影には膨大な資料として残せるほど重厚な取材と考察に基づいているようで、歴史と麻薬というテーマの論文になりそうな濃さ。実際に公開当時配られたレジュメ見てみたいな。

ケシの花や麻の葉が8mmの映像の滲みの中で揺れると不思議な感覚になる。
私はタバコも吸わないけど。
本作は先述の二人が出会い、空族を名乗る前の作品とのことだが、現在までの作風からその先十数年にわたる方向性はすでに強く打ち出されているとわかる。
記憶に新しいバンコクナイツをアジア裏経済3作目だと思っていたが、どうやら正式に別の3作目があるらしく、気長に待っていれば公開される…かもしれない。
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