もめん豆腐

お父さんと伊藤さんのもめん豆腐のレビュー・感想・評価

お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)
3.6
JCOM様で2回目の視聴。JCOM様は同じ映画を繰り返し放送するのがお好きな模様。
お父さんと伊藤さん
タイトルが、語呂も良く、韻も踏んでて好き。
内容はこれといった特別なことはない日常を切り取った話なのだが、それが意外に面白くて目が離せなくなる。お父さんの面倒くささと伊藤さんの柔軟性の対比が面白い。もしもなんだけど、伊藤さんと同じ年齢層で配役が万が一福山雅治や加藤雅也のような世間で言うイケメンだったらちっとも面白くないだろうに、リリー・フランキーさんってところが最大にこの話に現実味を与えている。見た目ヨレヨレだし、ハゲ散らかしてるし、顔だってだらしないのに、この人の放つ色気は一体何なんだろう?(貶してるけど褒めてるつもり)
柿は柔らかい派?固い派?とんかつのソースは中濃?ウスター?中学受験させる?させない?など、それぞれにお父さんは一家言アリで第一声では虚勢を張るが、大したことない。中年まっしぐらのあてくしが思うのは、年齢を重ねたら、
ある程度、若者の言うことに従え
我を張るな、ってこと!
お父さん役の藤竜也さんについては、若き頃の藤さんに比べると、ものすごく柔らかくなったし、いい感じで枯れてはいるけれど、それでもまだダダ漏れの色気があるので、この役は藤竜也さんより山崎努さんの方が合ってる気がした。校長先生って柄でもないような。
で、ちょいちょい現れる自称お父さんと上手くやれなかったと嘆く長男妻が個人的にツボで、出てくる度にちょっと笑ってしまう。いや、かわいそうな人だし、この人完全に鬱病だってわかるんだけど、自分も鬱病だからか自分を見ているようで笑えるの。自分を労るのは自分だけだぞ😼
観ていてちょっと羨ましかったのが、彩ちゃんの性格。どこにも力が入っていなくて過去にも縛られてないし、先の心配もしている様子がない。これがなかなか難しいのよね。あてくしはどちらもグジグジ考えてしまう。考えたところで良いことなんて一つもないのに。
あと、どうでもいいけど、キッチンがちゃんと料理する人のそれで、美術さんや小道具さんのこだわりを感じた。ここが充実していると堅実に暮らしているんだなと伝わる。
そうそう、伊藤さんは何者なんだろう…🤔
この映画は、多分、今後も何度も観ちゃう映画。のん気でとても良い。
もめん豆腐

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