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破門 ふたりのヤクビョーガミのstのネタバレレビュー・内容・結末

2.8

このレビューはネタバレを含みます

原作のファンです。原作読了後映画を観て、その後ドラマも観ました。同じ映像化としてどうしても比べてしまいますが、ドラマの方が面白かったです。

原作ではイケイケヤクザとして描かれる桑原ですが、佐々木蔵之介さんの演じる桑原は迫力不足で、脅しも喧嘩もなんか頑張っているなと少し冷めてしまいました。横山さんの演じる二宮はぼんやりとした雰囲気はよく出ていましたが、二宮の毒気が抜けておりヤクザと連むただの怠惰な人間という印象でした。
キャストに関しては、映画ではヤクザの初見をドラマでは詐欺師の小清水を演じた木下ほうかさんの振り幅が面白かったです。矢本さんのセツオもそれっぽかった。
関西弁ネイティブに拘ったとのことでしたが、私は非関西圏の人間なので正直それ以外に力を入れるべきところがあったように思いました。

原作ではさらっと軽口叩くような台詞を妙に感情のこもったものにするなど、無駄にウエットに描かれているように感じました。何らかの層へのサービスなのか、バディっぽさを強調しすぎて逆に薄く見えます。終盤の今治での喧嘩や車内で逡巡する辺りも妙に尺が長く退屈でした。
「醜男はないでしょ」「デイパックいいますねん」など時折挟まれる原作の台詞にはニヤっとできました。

アクションシーンやヤクザの迫力がいまいちで、乱闘中車が安全そうな発泡スチロールの山に突っ込んでいて悲しくなりました。
ストーリーも時々早送りしたくなる冗長な場面があり、原作の出来事を淡々となぞっているだけで盛り上がりに欠けるという印象でした。
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