akikokozawa

ハッピーエンドのakikokozawaのレビュー・感想・評価

ハッピーエンド(2017年製作の映画)
3.5
「ハッピーエンド」の題からあたたかな作風を想像し観始めてしまうと、1日の過ごし方が左右されるほどの喪失感に駆られるでしょう。監督はファニーゲームのミヒャエル・ハネケであることを胸に留めておかねばなりません。
建設会社を営む一家3世代は(金銭的には)文句なしの生活を手にしているが、修復できなくなった彼らの絆は日々綱渡り状態。常に死・虚無・絶望が混沌としている。家族の中にも礼儀は必要で、所有物でもなければ各々の意思を尊重し、個の集合体であることを忘れてはいけない。ユーモアは皆無、とはいえ思考整理の手助けをしてくれる一作なので気になる人はどうぞ。
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