ミサホ

ハッピーエンドのミサホのレビュー・感想・評価

ハッピーエンド(2017年製作の映画)
4.1
久しぶりにミヒャエル・ハネケ作品を。
手持ちのDVDから選びました。

ある家族の物語。
え…これ『愛、アムール』の続き⁈とも取れるようなシーンもあって、ハッとなったよね。そんな些細な仕掛けが面白い。

さらっと現代に巣食う社会問題や家族の問題、さらには個人的な問題に切り込むハネケ作品。年々、観やすくなっているように思う。でも奥は深い。

工事現場の崩落シーン…よく観ていなかったら、見逃していた。蛍光色の作業ベスト🦺がトイレに入る瞬間。引きの映像が多く、何が起こっているのか、興味をそそる。そんな撮り方。

そして、祖父と移民の黒人青年達との路上でのやりとり。自分の時計と引き換えに何やら交渉していた。あれはラストのパーティの場面にどんな意味をもたらした?祖父は彼らを見て思い出したのだろうか。真の望みを。

そしてエヴを利用したのだろうか…
彼女ならそのまま手を離してくれるだろう…そんなふうに考えて。

意味深で、観たあともあれこれ考えてしまう作品だった。観る者を傍観者に仕立てるような、そんな作品。

刮目せよ!と言われているみたい。よく見ていないと真実や変化、真意を見落とす。なんか少し意地悪な作品だけど、そんなことを教えてくれているような作品でした。
ミサホ

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