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カンパイ!世界が恋する日本酒のodyssのレビュー・感想・評価

3.7
【日本酒を世界に!】

日米合作映画で、日本酒をめぐるドキュメンタリー。

中心になるのは3人の男性。
英国人ながら日本で杜氏となり日本酒を造っているハーパー氏。
米国人ながら日本酒に魅せられて日本酒に関する本を複数出しているゴントナー氏。
岩手県で「南部美人」という日本酒の製造を何代も前から続けている一家に生まれて跡を継いだ久慈浩介氏。

また、東日本大震災の時には、石原都知事が宴会などの自粛を呼びかけたのに対し、久慈氏は、それでは東北産の品物が売れなくてダブルパンチを食らってしまう、むしろ東北の製品を買って応援して欲しいと呼びかけて話題を呼んだ。
「(東北の製品を)買って応援」というフレーズが当時流行したけれど、久慈氏の呼びかけはその意味で貴重だったのだということも、この映画が明らかにしている。

日本酒は海外に輸出されているだけでなく、今は米国でも製造が行われているそうだ。
振り返ってみれば、英国で修行した竹鶴政孝によってスコッチ・ウィスキーの製造が日本でも行われるようになったのを初め、ビールやワインだって日本で造られているのだ。
日本酒が海外で造られて悪い理由はない。

今後も日本酒の国際化は進むことだろう。
悪くないドキュメンタリーだ。

一つだけ余計なことを付け加えると、最近は高級日本酒として「(大)吟醸酒」が流行で、飛行機の海外便でファーストクラスやビジネスクラスで用いられているそうだけど、私は吟醸酒は甘くて好きではない。ファーストクラスやビジネスクラスには縁のない私だけど、最近何人かの方から贈答品として吟醸酒をいただいたのだけど、本音は「もっと辛口の日本酒を下さい!」なのだ。海外に向けても辛口日本酒を売り出して欲しい。
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