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ビースト・オブ・ノー・ネーションのtransfilmのレビュー・感想・評価

4.1
キャリー・ジョージ・フクナガ監督の「闇の列車、光の旅」はマイオールタイムベスト入りのお気に入り映画だし、「ジェーン・エア」もその年に観た映画のトップ10に入れたくなるくらい好きな作品。
この監督は、脚本も、映像もとても素晴らしく、すごく力量のある監督だと思う。(ついでに日系でイケメンというw)
「闇の列車、光の旅」や「ジェーン・エア」を見たときは、将来は、サム・メンデスやジョー・ライトみたいな大物監督になるのかな。と思ってました。
けど、今度はNETFLIXオリジナル映画の監督になるなんて、、
なんだか、別の意味で全然違った方向に進みそうなだなと思う。

アフリカの少年兵の話は、他の戦争映画か、もしくはドキュメンタリー映画かなにかで、どういった実情で少年が戦争に加担していくのかということを聞いたことがあった。この映画の内容は、そういったアフリカの少年兵について元々よく語られていた話を映像化したもの。という印象でした。
悪く言うと、思っていたよりはちょっと表面的だったかなと感じた。確かにセリフひとつひとつは間違ってはいないのだろうけど。はっとするような感じではなかった。
ラストシーンのセリフも良かったけど、本当に少年兵の立場になって、戦争を経験した少年が心からああいうセリフを言うかどうかはちょっとだけ疑問に感じた。映画としての締めとしては良いセリフなんですけど。
かといって、想像で少年兵の立場になれるのか。といったら絶対なれないので、本当はどういう言葉がふさわしいかなんてわからないですけど。

キャリージョージフクナガ監督のイメージ通り、本作も繊細な映画だと感じました。少年の内面の描き方が「シン・レッド・ライン」に少し似ているとも思う。
映像と俳優の演技に関しては、悪く言いようがないくらい非常に素晴らしいと思った。
この映画がアカデミー賞にノミネートされるかどうかはわからないけど、
「NETFLIX配給映画」じゃなければ、とりあえず主演の少年がアカデミー賞にノミネートされても不思議じゃないと思いました。

キャリージョージフクナガ監督は、これからもたぶんハリウッドの大作作品とは無縁かもしれないけれど、色んな人から尊敬される人だろうなと思う。
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