山椒

ビースト・オブ・ノー・ネーションの山椒のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

戦争の被害者はいつも市民
そして子供である

目の前で父親、兄を撃ち殺されて
逃げて捕虜になったアグー。
そこで兵士になったと思ったら
部屋に呼び出され犯され
それでもただ生きていく

目の前の人を殺さないと
仲間に入れてもらえない空気の中で
多分無実であろう人間を
斧で殺してしまった時から
心の中で神に話していたけど
後半にもう神に祈ることを
諦めた心がとても重い

自分が犯された後に
部屋の中で女を見つけてしまって
犯される所を見てられなくて
頭を撃って殺したのは
彼の優しさのように感じた

慣れなかったタバコもヤクも
この異常な狂った世界では
やらないとやっていけないんだと
言葉はなくても思わされる

どんな時も黙って隣で
慰めてくれた友達の死は
どんな状況だとしてもつらい

最後やっと保護されたと思った先で
過去にあったことを
話すことを渋るのがもう既に大人だった

悪魔だと思われても
それも自分だと自分を責める姿勢が辛い。
戦争のせいで君は全面的に
悪くないんだよと
周りの大人に言って欲しい
山椒

山椒