ぽ

ビースト・オブ・ノー・ネーションのぽのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

メモのまま。

--------


少年兵になった男の子の話

「神様、僕は人を殺してしまった 最も許されない行為です でも同時に思うのです これは正しい行為だ、とも」

かれは母を思った 弟や幼い妹のことも

人を無残に殺せることと、その人が持つ心の本来のあたたかさは全く別物なのだと思う

冷徹で人の痛みがわからないから残虐な行為ができるのではない

彼らにも家族がいて、映画を見て涙を流すこともあるだろう

悪いのは
十分に技術の発達した社会で未だ、力で相手をねじ伏せようとする指導者
人間の脳は一万年変わっていない

素晴らしい技術が生まれてどんなに生活が豊かになっても戦争はなくならない



「メロンを割ったことはあるか?人間の頭は固いから思い切りわらないとな」

彼の前で死の恐怖に怯える青年
彼が今まさに殺されようかというシーン
虐殺されたブチャの市民たちと重なり フィクションだと分かっていても直視するのが辛かった

耐えられずイヤホンを外したその瞬間、少年兵がなたを振り下ろした
流れる血 生々しい、けれど死に至るには決して十分ではない傷
それから 少女が隣から大きくなたを振り下ろし、餅つきのように何度も青年を刺す、刺す、刺す



「悪人」の心でさえ、むしろ「悪人」の心だからこそ解りたい



名前を呼んでも立ちあがろうとしないストライカ
見ると銃に撃たれた痕
「蛇に噛まれても静かにしてろ」
NDFに入った頃に言われた台詞が思い出される
ストライカは皮肉にも言葉を話せないから静かでいるしかなかったのか

ストライカを背負って歩き出すアグー
"本当はストライカに「僕も疲れた」と言いたかったけど僕の口からは出なかった"
言わなかったではなく、出なかった。アグーはよく自分を観察していると思った。

こういうことが、相手を思う気持ちなのだと思った


「元少年兵」として暮らすようになったアグーの元に現れたカウンセラー

「彼女は僕を赤ちゃんのように話せないと思っているが逆だ、僕は老人なのだ」

これは難しいなと思った
子供のしたことは褒めてあげるべきだが人を殺しすことは許されないこと
一生、死ぬまで、自分のしたことに罪悪感を抱いて生きていかなきゃならない
ぽ