みゆ

ビースト・オブ・ノー・ネーションのみゆのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

アフリカの村で家族と暮らす少年アグー。平穏だった生活は突如終わりが訪れ、政府軍侵攻による内戦が勃発する。
母と妹は都会へ避難し、父と兄と共に残るが、スパイ容疑を掛けられ、殺されてしまう。アグーは密林へ逃げ、そこで遭遇したのは、武装した政府軍と対する反乱軍。
そのほとんどが子供たち。少年兵。 アグーは彼らに加わる事になる。平凡な一人の子供が少年兵へ。
そんな中、度胸試しとして捕虜の殺しを要求されるがアグーは出来ず、別の少年兵が鉈で相手の頭をカチ割る。 アグーもやがて感覚が麻痺していく。
それから侵攻、略奪、暴行、殺し。自分から家族を奪った所業を、自分が行う。
子供たちが子供ではなく、殺戮の道具と化していく。
やがて武器も食べ物も底を尽き、遂に指揮官に反乱し多くが離脱する。
アグーらは国連軍によってリハビリ保護施設へ。そこでは教育を学び、食べ物やベッドもある。子供らしく生きる事をやり直す。
そこでアグーは葛藤を口にする。自分は獣や悪魔のような行いをした。しかし元は、家族に愛され、平穏に暮らしていた。 彼はまた以前のような暮らしを取り戻せるのか、もしかしてまた狂気の中に戻ってしまうのではないか。
同じ境遇の元少年兵はたくさんいる。彼らの行く末は分からない。
純粋にそれ故に戦争に心身共に飲み込まれていく様、ラストシーンで、海で戯れる子供らしい彼らを信じたい。彼らが大人になり全てを理解した上で戻ることが無いと思いたい。
みゆ

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