HELLOPANDABOOK

ビースト・オブ・ノー・ネーションのHELLOPANDABOOKのレビュー・感想・評価

3.4
アフリカの内戦は問題だらけで、政府側も反乱側も国連もNATOも社会主義国も投資家も入り乱れつ、でたらめなことばかり。正義を掲げた先から、汚職にまみれていく。救援物資が届かない、ユニ●●の募金はどこに流れた?なんていうのはガキの頃から聞こえてきた。コンゴも、ルアンダも、南アフリカも、スーダンもどこも内戦、内乱、同民族でも殺し合うおぞましさ。いや、たとえ他民族でも、殺戮なんておぞましい。そんな断片を淡々と描く。同じイデオロギーのはずも利害や大国との関係でコロッと転身する味方。そしてイデオロギーなんか関係ない、1番の被害者の子どもたちが、兵士として加害者になる。ここに利己も理性もふりかざすことはできる気がしないが、この映画の感想をひとつだけ。主人公のアグーとストライカの2人の少年兵。ワケもなく、趣味があるような環境でもなく、イデオロギーもなく、ましてやストライカは言葉を話せないし、なにもないが、多くいる少年兵の中で、たまたま2人はシンパシーを感じ、おたがい補完しあうようになる。後から考えても、理由なんて当人でさえわからないだろうし、そういう説明がつく理由なんていうものではないところで、2人は友になる。友、だ。そういう関係は、内乱にゆれるアフリカの茂みの中だけでなく、我々の人生でも起きることがある。それを思った。
HELLOPANDABOOK

HELLOPANDABOOK