内線によって家族と引き裂かれた少年が、武装集団の元で少年兵として成長していく話。
頭が切れてユーモアもあって、人間味溢れる少年が、次第に無機質な兵器へと変貌していく様が苦しい。
家族と引き裂かれることで成長するのは『カラーパープル』っぽく、とある男との出会いによって人生が変わるのは『ムーンライト』のよう。
その男を演じるイドリス・エルバの怪演が凄まじい。極悪非道で恐ろしい男なのにカリスマ性があって惹き付けられる。そして、とある出来事をきっかけに崩れ落ちていく過程も見応えがある。彼の映画だと言っても過言ではなかったと思う。
キャリー・ジョージ・フクナガ監督の作品を見るのはこれが初めてだったけど、戦争の描き方、演出力含め、とんでもない人だと思った。