YusukeTaruya

ビースト・オブ・ノー・ネーションのYusukeTaruyaのレビュー・感想・評価

3.5
Netflix

世界で250000人と推定されている少年兵達には選択肢がない。家族を殺され住むべき国を失い、人を殺しドラッグを投与され、虫を食べながらも必死に生きるしかない。
そういった状況が、主人公Aguを通して描かれる。彼は自分をBeastと形容する。
日本人にとって、少なくとも自分にとっては、一生体験することもなく理解することもできないような世界だ。


そして、ここに映画鑑賞の意味を発見することが出来る。
映画は自分が経験しないことを迫力ある映像や演技を通してバーチャルに映す。
人の性格は環境的な経験によって形成されるから、
それらの出来事を一人称視点で追体験することで、 現実世界で自分が経験する際に知覚しインプットを増やすことに寄与する。
これからも、「娯楽」を超えて映画の意義を最大限に享受できるような鑑賞方法を続けていきたいと思った。

ーーー
余談だが、この映画ではアフリカ人が話す独特な英語も忠実に再現されているのが興味深かった。
I knowはI am knowing,
We're going to dieはWe're going to be die
といったように、
彼らはSVO動詞に全てingをつける。
YusukeTaruya

YusukeTaruya