かつて母が殺害した父とその愛人の肉を食卓に出して以来、主人公の食卓には人肉料理が出されるようになったというお話
料理が下手な母と、そんな母にモラハラを繰り返していた父、料理を教えてもらいなさいと連れてこられた同僚という名の恐らく愛人、母がふたりを殺害するのはまあわかります、証拠の隠滅のために煮込んでしまおうという発想もまあわからなくもないです、そしてそれを食べてしまうのも積年の恨みを晴らすという意味合いを込めてありえなくもないかもしれません
それ以来なかば通り魔的に殺人を繰り返しいちいち調理するようになるのは…、まあ精神が壊れてしまったのかもしれないから良しとしましょう
しかしそれを最愛のはずの息子に食べさせるというのはさすがに常識の外にあるし、何より主人公が人肉をひと口食べるだけでその肉のパーソナルデータを読み取ってしまうのはどういうことだよ！
そんなツッコミ甲斐のありそうな設定ひとつでダレることなく駆け抜けた手腕も見事ですし、料理自体は非常に美味しそうなのに食卓に緊張感と不穏な空気を醸し出した演者もお見事
クライマックスのオチも含めてなかなかの良作
