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7s セブンスの大大のレビュー・感想・評価

7s セブンス(2015年製作の映画)
3.6
自主映画で受賞をしてバカ喜びをする監督の周りには、様々な役者がいる。

役者志望だがモデル業で食いついないでいる者、ひたすら死体の役をやっているもの、後輩に抜かれる焦りを感じている劇団女優、家族を養いながらなんとか役者をやっている者、アクションスターを目指すも芽が出ない者など、さまざまな事情を抱えている。

授賞式をきっかけに知り合った若手監督と、劇団員たちは、自主アクション映画の制作に取り掛かり、自分の活動に希望を見出す。

しかし、監督の傍若無人さから、助監督や技術をはじめ、どんどん人が離れていき、ついには撮影データが削除されている事件が起きる。
制作予算が尽きた一行は制作を断念。



以下ネタバレ気味



それぞれバイトや生業を通して生活を続けるが、
実はデータを削除したのは当時の助監督監督への復讐心から意図的にやったことだと明らかになる。

落ちぶれていた監督は、モデル業としても中途半端であった出演俳優と邂逅し、再び制作を開始し、劇場公開までいくが、何かが変わったのかよくわからない日常に戻る。

しかし、助監督の中にずっと宿っていた罪悪感が、救済されるために、映画の完成は大きな意味を持ったのだった。



▼アベラさんがまじで当たり役
演技に見えない。そのまま素のキャラ出ている感じがありつつも、映画に求められている熱量のようなものを、的確に当てに行っている感じがあった。

▼映画の完成というのは、本来世間に向けられているように見えるのだけど、実は、映画に関わったチームに対してカタをつけるため、もしくは自分自身にケリをつける一環として完成されているという一面があるというのが、すごいマジな感じがする。

世間の観客と作り手の間にある、観客が想像もしえない大きな壁がここにある。
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