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ガタカの10000lyfhのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.0
遺伝子操作で生まれた「適正者」とそうでない「不適正者」の差別が浸透した近未来ディストピアで、「不適正者」に生まれながらも、生体偽装で土俵に上がり、努力で宇宙飛行士となった人物。あり得なくない遺伝子差別社会への警鐘であり、出生ガチャで人生が左右される現代社会のメタファでもある背景。その制度を否定せずに受け止めた上での、美化された「才能なくても努力で報われる」ストーリー。感動的だが、居心地の悪さも残るのは、ディストピア作品特有。未来検証は緻密で正確。生体認証の方向性は実現したし、刑事の持つ血液認証携帯機器は、全人類の遺伝子 DB を機器内部に持っているか、Wi-Fi 的無線でネットにアクセスしているか、だが、1990年代に予見はすごい。ユマサーマンの無機質感、撮影がキェシロフスキのカメラマン、音楽がナイマン、といった諸要素が、ダークでヨーロッパ的、また製作当時基準でも古典的なムードを醸成。題名に含まれる英字 4種が強調されたタイトル/クレディットデザインも秀逸
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