観た。
産まれた瞬間に遺伝子検査により、かかりやすい病気、おおよその寿命から死因まで告知されてしまう、近未来のお話。
愛の結晶として産まれた兄と、完璧な遺伝子操作で産まれた弟。歳下に背を抜かれるシーン切ない。
兄は諦めずに、遠泳対決で初めて弟に勝った事を機に家を出て、夢だった宇宙飛行士を目指す。
そして優秀な遺伝子を見に纏う事で、ジェローム・モローになりきる。
毎日、自分の遺伝子が採取出来るものは排除し、ジェロームは血液、尿を提供し続ける。自分には絶対出来ないな、この生活。
土星にまもなく出発のタイミングでの殺人事件。まつ毛を残してしまう、ビンセント。
ここからはサスペンス的なハラハラが続く。もう観てるこちとら、2人の味方だからどうか切り抜けて、という気持ち。
ジェロームが手だけで階段登り切った所は拍手もの。
別の軸として、同僚のアイリーンとの恋も。ユマ・サーマンの職場でのパリッとしたサイボーグ的美女感とプライベートの少し柔らかい雰囲気どちらも好き。やっぱりもの凄い美人だよな。
しらを切って協力してくれる所とか仕事できるわ。
犯人は意外な所で、一件落着。
その後に、まさかの弟か。という展開には本当に驚いた。
最後は尿検査おじさんにも協力してもらう。そしてジェロームは区切りをつける決心を…切ないシーン。
登場人物の中でダントツに遺伝子的には劣っているビンセント、でも夢を諦めなければ、遺伝子なんかに負けてられるか。というポジティブなメッセージかな。
近未来のSFものなんだけど、人間ドラマとしても良く話が出来ていて。映像や美術、綺麗な音楽、演技の温度感も低め安定していて、映画として美しいパッケージになっていた。
良い作品。
イーサン・ホークとジュード・ロウの良い男2人の共演も素晴らしい。
アンドリュー・ニコル、脚本・監督
