あぶりかんぱち

ガタカのあぶりかんぱちのネタバレレビュー・内容・結末

ガタカ(1997年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

大型連休でオススメ作品視聴計画その2。 SFの体を取っているけど、人間の本質を問うようなよく出来た話でした。

生まれた瞬間から寿命や適性が決まる近未来を舞台に、『宇宙飛行士になりたい』という思いを胸に人一倍努力する主人公・ヴィンセント。でもその前に立ち塞がるのは「遺伝子」の壁。

生まれながらの「優性」として差を感じてきた弟に努力で上回ったことをきっかけに宇宙飛行士の夢を追い続けるものの、やはりその壁にぶち当たってしまうヴィンセント。そんな彼は足が不自由ながらも「優性」の遺伝子を持つ人物・ユージーンの力を借りて夢を叶えようとするが…という話。

どんな窮地に陥ろうとも、夢を決して手放さない『ど根性』みたいなものを世界観を含めスタイリッシュに描いている作品という印象でした。荒波の海を泳ぐシーン、脚の自由が効かない中で必死に螺旋階段を上るシーンなんかはその最たる例かと。

で、これだけ努力を積み重ねながらも社会からは「底辺労働者」のレッテルを貼られた自分の身体を、外で痕跡が残らないよう隅々まで綺麗にする光景に漂う哀愁はなかなか胸を打ちます。

最後ありのままの状態で検査に引っかかった主人公に対し、お咎め無しでパスさせたドクターの姿に「外側ではなくその内面にOKを出した」というメッセージを感じて、『自分も頑張んないとな!』という気持ちになりました。良作でした!
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