SachikoInoue

ガタカのSachikoInoueのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.6
評価がつけづらい。それは考えさせるし、素晴らしい作品だから。今後何年にもわたって鑑賞し続けられて欲しい作品ほど評価ってしにくいですね。

遺伝子だけでは分からない「人間の可能性」を完全に忘れきった世界。
遺伝的な病気ってありますよね。あれだって「可能性」であって必ずしもなるわけではない。遺伝情報だけで何がわかるのか。
そしたら、障害のある方は何もできないってことになってしまいますよね。私は眼鏡をかけてるから、障害といえばそうなのかもしれないし。でも、眼鏡があれば読書やテレビを見ることができる。
「不完全」だからこそ「完全」を目指して努力し、器具や人の助けをかりながら進んでいくのが人間ではないでしょうか。




※ここからネタバレです。
いざ、土星へ出発という時、尿検査で本当の身分がばれてしまうが、医者の計らいで宇宙飛行士として搭乗できることに。医者の彼の息子も遺伝的な問題がある、ビンセントに希望を見たと言った時のイーサン・ホークのあのなんとも言えない表情が本当に素晴らしい!胸に迫る演技です。
ユージーンから一生分のサンプルももらった時、ビンセントは気づいたでしょうか。彼が自殺してしまうんじゃないかってことを。
一流の遺伝子を持って生まれたユージーンは二番手の人生だった。水泳では銀メダル。その後はビンセントの影となった人生。でも死んでほしくなかったーーーー!
ビンセントは宇宙船でユージーンからもらった封筒に彼の髪が入ったのを見て完全に気づいたでしょうね。彼は死ぬ気だって。
彼の死とエンディングの曲があまりに切なくて胸が苦しくなる、ただのSF作品ではないさみしさを残す一作となっています。

おススメです!!
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