喜連川風連

ガタカの喜連川風連のレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.7
遺伝子編集技術により生まれながらにして、生きる道がほぼ決まってしまう切なさ。

今の科学技術の未来の一つとして確実に考えられる道の一つ。

あらゆる可能性は廃され、努力も遺伝子の壁に阻まれる。
ただ、運命だけは誰にもコントロールができない。
主人公がすり替わった天才は、自分で頂点を手に入れることができず、事故に遭ってしまう。そこに現れた不屈の主人公:ヴィンセント。

彼はここではない何処かを目指して、宇宙に行きたいと考えていた。

そして遺伝子で作られた弟アントンは「今を維持する組織」に入る。

だが、結局主人公の欲しかったのは「居場所」だったのだ。

ラストシーン、入れ替わり元のジェロームは火に包まれ、手元にある銀メダルがヴィンセントが乗るロケットの火(夢)によって金色に輝く演出に鳥肌。

セックスシーンでは寄せては返す波のように、海が印象的に撮られるなど、比喩としてのカットのひとつひとつがとても美しい。

運命づけられたものもあるかもしれないが、奇跡を信じる人や見たい人のいる限り、希望はあり続ける。

派手なシーンはないが、素晴らしいSF映画。
喜連川風連

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