TOMO

ガタカのTOMOのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.1
人間の可能性が遺伝子を超える

DNA操作で生まれた“適正者”だけが優遇される近未来。そんな残酷な未来で3人の男女がDNAに抵抗しながら生きる姿が描かれています。

最初は貸すものと借りるものという関係であったジェロームとヴィンセントが苦難、喜びを共有していく中で1つの夢を追いかけるようになり、互いを必要とする関係に変わっていきます。だからこそラストシーンは希望に満ちた喜びと胸が苦しくなる切なさの両極端な感情が合わさったものになっています。

また、アイリーンとヴィンセントの関係はハラハラドキドキ交えつつ描かれていて見ていて引き込まれます。そしてその関係性が崩れたときの“本当の“ヴィンセントの言葉は、私の映画史に残る名言です。

他にはないSFサスペンスとしてストーリーに目が行きがちですが、音楽も秀逸でシリアスかつ切ない演出を引き立てています。
1997年の映画ですがあまり古さを感じさせず、時間も106分で見やすいため、まだ観ていない方には是非おすすめします。
サスペンスですが友人、恋人、家族誰とでも観れる映画となっています。

最後に、映画のタイトルであるガタカとは映画に登場する企業の名前ですが、英語表記の"Gattaca" のクレジットで強調されるGとAとTとCは、DNAの基本塩基であるguanine(グアニン)、adenine(アデニン)、thymine(チミン)、cytosine(シトシン)の頭文字から取られており、監督のお洒落な演出となっています。
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