MasaichiYaguchi

ゴジラvsコングのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
3.8
延期に次ぐ延期で首を長くして待っていたゴジラとキングコングという日米2大怪獣が激突する本作が遂に公開した。
本作はハリウッド版「ゴジラ」シリーズ、「GODZILLA ゴジラ」「ゴジラ キングオブ・モンスターズ」「キングコング:髑髏島の巨神」をクロスオーバーして描く「モンスターバース」シリーズの第4作になるが、オリジナルは日本のゴジラシリーズ第3作にして東宝創立30周年記念作品の「キングコング対ゴジラ」。
このオリジナルはゴジラ映画として初めてカラー製作されていて、ゴジラの体色や放射能火炎の青白い色が披露されている。
更に日米両雄の対決は、1958年に開催された力道山とルー・テーズのプロレス興行に因んでいるらしい。
「キングコングとゴジラ、どちらが強い?」というオリジナルのフレーズが本作にも印象的に出てくるが、「両雄並び立たず」という諺にあるようにガチンコの対決が繰り広げられる。
キングコングとゴジラの対決と並行して描かれるきな臭い人間ドラマ。
このきな臭さが終盤で思わぬ波乱を引き起こしていく、
破壊神としてのゴジラ、守護神としてのキングコング、彼らは何故戦うのか?
夫々の矜持と信念が終盤の戦いで露になり、そして本当のモンスターとは何なのかがシニカルに描かれていく。
史上最大の激突はオリジナルにオマージュを捧げているように感じられた。