シネリーマン

ゴジラvsコングのシネリーマンのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

モンスター級のヤンキー青春映画!

公開延期で溜まったフラストレーションを吹き飛ばしてくれるほどの面白さで、帰宅してからも興奮がおさまらない状態です!



※以下ネタバレ全開



まず冒頭で「キングコング髑髏島の巨神」から約50年後の髑髏島があんなことになっている事に驚きました。
ゴジラからコングを隠していると言っていましたが、KOMで怪獣をコントロールする事は出来ないと学んだはずの人類の抑えられない欲が作り出した檻にしか見えず、コングが本気になれば簡単に破られる気がする作りで、初っ端から人類の浅はかさを感じました。

そして人間の都合により、髑髏中から強制転校させられるコングが海を渡っていたら、「どこ中だテメー!」と前作KOMで地球番長になったゴジラに絡まれゴジラvsコング第1ラウンドスタート!

KOMと同様に出し惜しみなく戦わせていくスタイル最高です。



海はオレのナワバリだと言わんばかりにコングをケチョケチョにし、起き上がれないコングに「田舎モンが調子ノんなよ」とメンチを切って帰っていくゴジラ。

トレイラーでも気になってましたが、ゴジラとコングが乗っても浮いてられる空母強い。



海がダメならと空輸されるコング。

目的地到着した時の爆砕ボルトの様な演出地味に痺れました。



なんとか新髑髏中の門をくぐり、ゴジラに負けた憂さ晴らしをするかのように新髑髏中にたむろしてたワーバットたちを締め上げるコング。

ワーバットを殴りつけてる時のワーバットの骨の折れる音が生々しいけど、怪獣たちの骨格を設定としてだけではなく、ちゃんと演出に使っている作り込み度が凄い。



そして歴代コング先輩達の残したエモノを手に入れ、新髑髏中番長になったコング。

この時のエイペックス社長の娘が胸糞だったので早くやられてくれないかなと思っていたらコングに躊躇なくペシャンコにされたのは気持ちよかった笑



コングが手に入れたエモノがゴジラ素材で出来ていたため、転向した事をゴジラに気付かれ、香港から新髑髏中まで直通のトンネルを開けられ「やっぱりテメー調子ノってんな」と絡まれ第2ラウンドスタート!

地上でビルがあってもお構いなしに直進したり、海で軍艦があっても直進するのはゴジラなら納得ですが、地下にいるなら直通ルート空けたるわと言うのは予想外すぎて笑いました笑
でも日本のゴジラにはない規格外の「オレが決めた道が道だ」と言う傍若無人スタイルはレジェゴジならではで最高でした。



第2ラウンドでは、持ち前の俊敏さとエモノを生かした攻撃で陸なら負けねー!とコングがリベンジを果たしたかと思いきや、本気になり爪、牙、尻尾を使ったゴジラの猛反撃に成す術なく組み伏せられ「オレが地球番長じゃーーーーーーーー!!」と叫ぶゴジラに、コングも怒鳴り返すも立ち上がれず、第2ラウンドもゴジラの勝利でゴジラvsコングは幕引き。

やっぱりゴジラ強えー!と思いましたが、コングを踏みつけ「オレが番長だ」とゴジラが言わざるを得ない程にコングがゴジラを追い詰め、ゴジラもギリギリの戦いだったように見え、コングの強さもしっかり感じられるのが良かった。



しかし怪獣同士の喧嘩で話は終わらず、そこに現れるエペ中出身のメカゴジラの皮を被ったメカギドラ。

ギドラの頭蓋骨でDNAがまだ生きてて自動学習させてると聞いた時点で絶対ギドラに乗っ取られるやつじゃんと思っていたら案の定。でも激アツ展開!
小栗旬が操るメカゴジラがゴジラと戦う姿も見て見たかったけど、それはフェーズ3の「ゴジラvメカゴジラ」で見れたりするのかな?



「テメー誰だよ!」と早速シメようとするゴジラですが、メカとは思えない動きをするメカゴジラに大苦戦。

日本のゴジラに登場するメカゴジラはロボコップやターミネーターの様なロボと言えばと言う動き方で、スーツアクターが演じている事による可動域の制限にもマッチした「特撮」として理にかなった動きでしたが、CGによりスーツの制限が無くなり、ガンダムやレディプレのメカゴジラなど、現代のロボと言えばのイメージにアップデートされたスピード感のあるメカゴジラがゴジラと戦っているシーンは、正直コング戦よりテンション上がりました!
やはり「ゴジラ×メカ=メカゴジラ」というのはシンプルな発想でありながら至高の発想。



苦戦しているゴジラの横で死にかけているコングが、KOMで芹沢博士に喝を入れられたゴジラよろしく、リンド博士に喝を入れられて復活。

セルフオマージュ来たー!!



「オレに勝ったくせに負けてんじゃねーよ」とゴジラを助けに入るコング。
「うるせー!オレがこんなヤツに負けるわけねーだろ!」とコングに向けられたメカゴジラの拳を止めるゴジラ。

ゴジラとコングの共闘を見ながら「完全に青春ヤンキー映画だー!!」とテンションブチ上がり笑
そして、「コレ絶対最後はコングの斧にゴジラの熱線溜めたタッグ技で終わるやつ!それ見たい!」と思っていたら願い通りに見せてくれる監督ありがとうございます!
タッグ技の直後にメカゴジラのハイテクシステムを酒によるショートと言うアナログ技で倒し「イェス!」と歓喜するバーニー達を写したのは、自分と同じ心境の観客のとシンクロさせる狙いで差し込んでるとしか思えませんでした。
ホントにそうならアダム・ウィンガード監督最高です。



メカゴジラを倒し再び相対するゴジラとコング。
ゴジラを殺すべき敵ではないと認識したのかエモノを捨て「今度はオレも素手でやってやるよ」と言う表情のコングと、「オマエと喧嘩楽しかったぜ。またヤろうな」とコングを認め帰って行く番長ゴジラ。

古来からの宿敵と言われるのが納得の関係性。次にこの2体がいつ拳を交えるのか今から楽しみで仕方ない!





観賞前の予想で見たいと思っていたものを見せてくれたと言うより、観賞中に見たいと思ったものを見せてくれた「ゴジラvsコング」でした。
映画を見ていて「こうなるんだろうな」と展開が読めて、「やっぱりそうだよねー」となることはよくありますが、
観賞中に「こうなってるのが見たい!」と思わせ、「それそれ!それが見たかった!」と納得させてくれる映画は少ないと思います。
そのような事が出来ている映画は根強いファンがいる作品で、製作サイドの作品やキャラクターに対する理解だけではなく、ファンへの理解も深くないと作れないと思うので、最高の製作陣により作られた作品。


2021年 新作31 / 旧作29


※以下は超個人的感情

これだけいい映画なんだからグッズの売り方だけ考えてくれー!!!!!
観賞前にパンフ買いに売店行ったらメカゴジラのグッズあって、出るかもと予想はしてたけど、出ることが確定するネタバレを公式でしないでくれー!!
KOMでギドラの頭が回収されていた時点でメカゴジラは期待してて、「ゴジラvsコング」のトレーラー公開時にメカゴジラが、もう出るんじゃないかと噂されていたけど、モンスターバースのフェーズ3で「ゴジラvsメカゴジラ」の正式タイトルがあるから、もしかしたら今回のは頭1個がオリジナルのギドラで残りの頭と体をメカ化した「メカギドラ」とか、ワンチャン「モゲラ」の可能性もあると思っていたから、メカゴジラ登場時の「順当にメカゴジラだったかー!」という驚きが無くなってしまった…