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ゴジラvsコングのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
3.9

モンスターヴァース 4


言ってみれば60年ぶりの再戦となる日米二大モンスターバトルは、徹底的に興行主義に振り切ったエンタメ作品として、映画たるはこういう事だろ?と訴えかけられているかのようにさえ感じる開き直り具合。


これまでのモンスターヴァースは、初作の【GODZILLA】にも象徴されているように、必ずと言って良いほどポリティカル要素が背景として連動しており、モンスター達の存在、そして皮肉めいた破壊によるカタルシスが生じ、よりコアなファンが胸躍るような作り込みようが特徴的だった。
対して本作【ゴジラvsコング】は、RIZINで言うところの年末イベントのような興行要素に比重を傾けていて、K-1チャンプとMMAチャンプが特別ルールで1ラウンド目は海上戦、2ラウンド目は地上戦と言った具合にリングを変えての問答無用な壮絶バトルをメインとして、ド派手な怪獣バトルアクションエンターテインメント色が色濃くなっている。
更にはそこに“メカゴジラ”までをもぶち込んで、プロレス団体からの刺客的暴君を送り込んでくるお祭りっぷり。
こりゃもうストーリーなんてどうでも良いでしょ!?と言わんばかりの希薄さで、逆にそれを鑑賞側が理解できれば存分に楽しめる娯楽エンターテインメント作品と言えるのではないだろうか。

【ゴジラ】が持つポリティカル要素に関しては、しっかりと庵野氏が【シン・ゴジラ】でそのイズムを継承して下さっているので、洋版【GODZILLA】の路線は寧ろこの方が脳筋ムービーとして俄然楽しめる♬
そういう意味ではアダム・ヴァンガード監督は良くぞ開き直ってくれたと敬意を表したい。


とは言いつつも、個人的にはこのモンスターヴァースの中では、ダントツで【キングコング:髑髏島の巨神】がすこ。
そんな理由から、次回作として噂されている【Son of Kong】は髑髏島の純粋な続編として期待値が上がるな。
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