真田ピロシキ

ゴジラvsコングの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
1.0
北条義時、貴様が殺めた鎌倉の人々の報いを受けよ!ガッジーラ、お前が奴をブチッと踏み潰すことを求めている。というノリで見始めたのにつまらない。シリーズ最初からそうだったが地球空洞説のホラ話をまだ聞かせられてただでさえ幼稚に思えるのに、今作は聞いてると脳細胞が死滅しそうな陰謀論者も加わりもはやQアノンや反ワクチン系に足を突っ込んでいるかのよう。そんな戯言を抜かしてるアホをクールと言う女子高生。願望?現実に疑似科学の陰謀論者が幅を利かせているのにどうしてフィクションでまでそれを見ないといけないのだろう。人間パートは退屈だってことは分かりきってたことだろう。割り切ってガッジーラとコングが戦ってるとこだけ描け。それも単調で寝落ちしてたけどな。

もう見るのをやめたいくらいだったが、頭のおかしい陰謀論者と素人高校生2人の侵入を許すザル警備の超巨大企業に隠されてたのはメカガッジーラ。出るとは思わなかったのでテンション上がる。キングコングなどより断然メカゴジラ派ですよ。操縦するのは義時!お前を毒殺しようとした3番目の妻も巨大ロボットのパイロットだったもんな。そうかそんな縁があったのか。鎌倉殿勢としては最高の盛り上がり。…も束の間、システムが暴走して義時敢えなく死亡。何この雑さ、芹沢博士の息子じゃなかったの?暴走メカガッジーラはゴジラとコングをぶち殺しに出発。理由?地上最強になりたいとかくだらないことでしょどうせ。こいつのデザインが東宝版とは大きく異なりトランスフォーマーにいたやつみたいなの。あの映画は嫌いなので面白くもない。それでもむっちゃんこ強くてガッジーラとコングを圧倒するのだが、動きを止めたのはオタク高校生が制御パネルに酒を流してショートさせる秘策。最先端技術を尽くしたであろうものがその程度で。すげーや。Twitterで「努力もせずに子供が世界を救えるのはハリウッド映画だけです」という浅いハリウッド批判ミームの漫画引用があるが、これはそれじゃない?映像に誤魔化されているが、平成以降の東宝ゴジラの方がまだまともなストーリーのような気がする。

それと前作ではスネ夫怪獣を初めとして怪獣が擬人化されてたが、今作も引き続いてて巨大なだけの人間に見える。戦い方はアメコミヒーローみたいだし、コングに至っては手話で意思疎通出来るほどの知性を持つ。ヒーローにすればシリーズ展開しやすいのだろうが、人智を超えた畏怖すべきアメイジングな存在からは遠ざかってて安っぽい連中にされちまったなーと。あの女の子とETコンタクトするのとか感動した?私には子供向け映画の雰囲気が強い。子供と心を通わすのは昭和ゴジラにあった気がするのでこれもオマージュかもしれないが、それを大の大人が真面目に見るものかと言いますと。完全に大きなお友達映画と化したと感じる。多分次はもう見ない。