空母ポンタヌフ

ゴジラvsコングの空母ポンタヌフのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
4.5
新作に向けて改めて視聴。小さい時から怪獣が好きだったのでモンスターバースの評価にはだいぶ贔屓をしている前提でいうと、メッチャ面白い!! 前作の『キング・オブ・モンスターズ』で怪獣たちに神性を与えたとすると、本作の『ゴジラvsコング』は怪獣たちに人性を与えた映画である。この映画の主人公、いや主怪獣公であるコングが、手話を解する意思疎通可能なタイタンとして描かれているのからも明らかであるし、そもそもこの映画の始まりはコングのモーニングルーティンから始まる。人型のでかい猿であるコングを主人公と据えて、前作で怪獣に与えられた神話性を脱構築していくその姿勢はとても面白い。それに対峙するゴジラについても、生態系を維持するための本能とはいえ、自らの地位を脅かす脅威となるタイタンに向かっていくその姿勢が、どこからサラリーマンのように思えて笑えてくる。特にコングと戦ったあとのメカゴジラとの連闘シーンは、連勤が続く社畜サラリーマンさながらである。全体に出てくるガジェットや設備、ネオンに輝く香港の街など画面がメカメカしいのが特徴で、画がかなり豪華で観ていて楽しい。人類が作ったタイタンであるメカゴジラがコングとゴジラを追い詰めるが、結局のところ作り物のまがい物であるから遠隔操作装置にアルコールをかけられて機能不全に陥るという展開はどうかと思うこともあったが、結局真の怪獣にはかなわないというメッセージのように思え、逆に胸が熱くなった次第。