烏丸メヰ

ゴジラvsコングの烏丸メヰのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
4.5
お気に入り作品記録。
新作にそなえて再鑑賞(『キング・オブ・モンスターズ』が好きだった為、当時異なる上映形態にて字幕・吹替とも鑑賞)。

“怪獣”の脅威への対策・解明として人類が存亡をかけた計画。
コングを頼り利用する者、ゴジラの侵攻に理由を信じる者。
探索チームとコングがある場所に至ろうとした時、遂にーー。


日本特撮の築いた“VS怪獣もの”のケレン味と文脈を、ハリウッドのパワーと技術で正統に膨らませたエンタメ。
コングの毛並み、ゴジラの熱線等、怪獣を生き生きと描写するVFSの迫力は文句なしに圧倒的。
知性を感じさせるコングの表情は見事で愛着がわいてくる(ゴジラに感情的な表情を持たせすぎなのは私はあまり好きではなかったが)。

「それして平気なのかよ!?」をすんなりやる人々だとか、特に民間人パートは驚くほどバカで脚本家が別なのかと思ってしまう程だが、映画を通して
・監督の説教に怪獣を用いてる感
・ストーリーテリングは人間だけで進めていき怪獣シーンは暴れパートのみ
の二点が無いのが何といってもエンタメとして満点。
コングと人の交流といったドラマシーン、ほぼ常に怪獣露出を含むシークエンスでの進行といった
「怪獣メインの怪獣映画」
というつくりのお陰で、変なノイズや分かりにくさ無く盛り上がり続けられる。

平成ゴジラで、生命倫理からモスラ陣営が否定していたある技術に近い人類サイドの科学への言及等もあり盛りだくさん。
迫力と素材の良さを存分に発揮し向き合えば、思想じみた変化球なんて投げなくたって「怪獣」は楽しい!という大味エンタメの切れ味の良さを再認識した。

公開当時サバンナ八木さんのギャグ思い出してみんな真似したよな(笑)!?
元々の台詞にある言葉の使い分けや言い方の妙を殺した吹替は完全に作品改悪と感じたので、字幕推奨。
烏丸メヰ

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