山内マリコ原作。この人の作品て、「アズミ・ハルコは行方不明」にしても「ここは退屈迎えに来て」にしても、タイトル見ただけで作風と内容が大体伝わってくるのが、ある意味すごい。
ひとつは、何もない田舎。
行く先々に、自分のことフルネームで知ってる元同級生たち。
そんな地元のせっまい世界で生きていく閉塞感。
アホみたいに中身のない会話。
凄いことしたい、楽しい人生送りたい、でもどうすりゃいいのか分かんねー。
そして女にはもう一つ、男と女。
好きだから体許したのに、男は弄ぶ。なんとなく消費する。
女には心がないかのように。
女は束の間の憂さ晴らしには最適、でも、コミットメントはクソうぜぇ。
もとより社会に蔓延る男女格差。
彼氏いる?結婚した?35過ぎたら女は終わり。
若くて可愛くて、安月給で黙ってなんでもやってくれる女がいい。
でも、セクハラでボロクソ言われた年上の女も年下の女に言う。
結婚して仕事辞めて忘れちゃいな。
結婚した女たちも言う。
結婚なんて奴隷契約。
妊娠したから、夢追うのやめたわ。
この田舎も、男女の関係も、
昔はどっちもキラキラしてて、夢に満ちてたはずなのに。
やりたいことがわかんねー。
男社会に迎合して生きるのマジうぜー。
つまんねーから、落書き描き散らす。
つまんねーから、ボコる。
でも、
「こんなんで世界変わらねぇって」
それな。
「私、女子高生じゃないし。」
私にはもう、正面切って戦う元気も気力もないよ。
…だからと言って、一度消えてリセットして生きるとか、ぶっちゃけなんの解決にもなってないけどね。たとえそれが、もう割り切って耳塞いで気にせず生きろっていうただの精神論であったとしても。
ていうか、逆に、女の在り方をナイーブに描きすぎてて、コレはコレで偏見がある気もする。
山内マリコ作品流行ってたの、10年弱前くらいだよね。この点については、この時点より社会風潮が少しはマシになって来てる気がするし、まあ良かったかもね。