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下衆の愛のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

下衆の愛(2015年製作の映画)
4.0
映画監督のテツオ(渋川清彦)は40歳を目前にしながらも夢を諦めきれないパラサイトニート。
映画祭での受賞経験が唯一の自慢。監督とは名ばかりで女優を自宅に連れ込む自堕落な毎日をおくっていた。
しかしある日、才能溢れる新人女優・ミナミ(岡野真也)との出会いにより新たな希望が生まれて新作映画の実現に奔走する。
「裸と動物」にこだわる団塊世代のプロデューサー貴田(でんでん)や、枕営業にすべてをかける売れない女優・響子(内田慈)、自らのハメ撮りで生計をたてる助監督のマモル(細田善彦)など、映画界の底辺に巣くう仲間たちと最後の賭けに出ようとする。
しかしそんなテツオの前に現実の壁が立ちふさがる。
映画作りを巡る夢と現実が、テツオの中で交差するのであった。 
ワークショップで女優を引っ掛けたり彼女から映画を作るための資金を引き出そうとしたりプロデューサーや監督に枕営業して仕事を得る売れない女優や監督やプロデューサーを手の平で転がしてのしあがる女優など映画でスポットライトを浴びるため、自分が撮りたい映画にスポットライトを当てるために、泥にまみれる監督や女優の愛情悲喜劇をコミカルに描きながら、きれいごとじゃない映画愛が込められた傑作コメディ映画です。
下衆だけどピュアな映画愛を持つ渋川清彦、ピュアな映画愛を持つ忍成修吾、したたかなでんでんなど、個性的なキャラクターのアンサンブルも、見所です。
「犬や猫が最後に死ぬ映画が今は売れるんだよ」
「オレたちは映画という性悪女にはまったようなもんだろ。だったらやりまくろうぜ」
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