MikiMickle

キングスマン:ゴールデン・サークルのMikiMickleのレビュー・感想・評価

3.8
前作で世界を救った、どこにも属さないスパイ組織のキングスマンの新人エグジー。

新たな敵が現れて、ひっちゃかめっちゃかがありまして大変な事に…

エグジーは、秘密の扉の中にあるヒントを元にアメリカ ケンタッキー州のウイスキー工場へ‼
同じく影のスパイ組織であるアメリカの“ステイツマン”の力を借りて、闇の麻薬組織と戦おうとするのだが、イギリス紳士とアメリカーンな感じがギクシャクし… 的なストーリー。


ザ・アメリカン顔のチャニング・テイタムの登場。 彼って、出てくるだけでなんだかいつもニヤニヤしてしまう(笑)
前作では叶わなかったエルトン・ジョンも本人役で出演っ‼
どちらもドラッグで………(全ては言うまいw)

さて、この映画の本質は色々ある。
友情や恋や結婚や任務などにおける涙や笑いやハチャメチャや手に汗を握るアクションが盛りだくさん‼
ハリーとマーレンのくだりでは思わず涙がうるうると…泣いてしまう…カントリーロード……(

では今回の悪となった麻薬密売組織についてはどうだろうか。
その組織によって政治的取引のために利用されたドラッグ使用者を救うために、キングスマンたちが奮闘するという話になっていくのだが、
一般的にドラッグ使用者というものは“悪”や“闇”や“ダークサイド”やらで描かれる事が多い中、
それを救うという設定からして、非常に変わっていると思う。
コメディでもなく、アングラ映画でもなく、ここまでメジャーとなった今作で描かれるドラッグというものは、考える所がある。
今作でも、決して綺麗事として描かれるわけでもない。もちろん推奨してるわけではない。やはり、ドラッグはしてはいけない事だし、警鐘を鳴らす所もある。
しかし、医療目的や、激務や、ついそこに手を出す人の弱さは、一概に責めるものではないのだと思う。
なぜそういう世界になったのかという事も含めて、そういったものを柔らかにブラックユーモアたっっっぷりに描く所と真意が面白かったひとつだった。

あと、監督マシュー・ボーンの描く人物のクセ‼ クセが強い‼
そして、キック・アスや前回含めて思う事だが、だれも嫌なやつがいない。悪役でも。悪の中にある芯や面白さ。それがあいまって、決して嫌いにはなれない奴らばかりになる。登場人物に対して愛があるのだと思う。(かと思えば、すぐにぶっ殺 す面白さもあるw非道w)

また、前作同様、アメリカ批判もきちっと描いていて、爽快‼‼勝手な憶測だけれど、大統領をトランプ氏に激似にしていないのも敢えての事だと思う。もちろんトランプチックな些細なヒントはあるが、それはトランプ特定ではなく長年のアメリカ政府に対しての事を表現しているのではないのかなと。
そして、その中にはただの批判ではない面白みがある。 イギリスとアメリカの文化の違いを、時に前作のセルフパロディーを用いつつ、そこにもやはり愛があり。

とりあえず、エグジーの成長もあるし、悪役ポピー(ジュリアン・ムーア)の作り上げる理想郷である麻薬製造ユートピア“ポピーランド”が、コロンビアだかの山奥の中にいきなり現れる50年代アメリカの繁栄と美を象徴としたもので、それだけでワクワクした♪ファッション・インテリア・建造物、たまらない♡
ポピーは前作のサミュエル・L・ジャクソンにも引けを取らないクセの強さ‼ 人肉バーガーもたまらん♡
前作の素晴らしさは超えることは出来なかったけど(突飛でるような悪がちと足りない)、なんか「思ってたんと違うやろぉ」とニタニタするマシュー・ボーン監督の悪ガキ感を感じるような作品だったわ♪
MikiMickle

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