グラッデン

キングスマン:ゴールデン・サークルのグラッデンのレビュー・感想・評価

3.7
「秒速でアガる」という宣伝に改めて納得。アクションシーンを作品の軸とする本作ではありますが、特徴としては号砲の無い即興性と、1つ1つのアクションシーンの尺が短時間であると思います。その意味では、前作で示した作品の方向性を踏襲した印象があります。

とはいえ、近年のCG無しのリアル志向の絵作りも増えているため、超アクションに対する「軽さ」は否めなかったです。ならば、スパイアクションならではのガジェット推しのアプローチがあるのですが、革新的だった前作を超えるインパクトは作れなかったかなという感触ではあります。

また、アクションシーンを王様に置いた反面、シナリオの部分で相当無理した印象はありました。上記で書いたことを覆すようではあるが、前作で良かった部分はアクションシーンのエモさを前面に出しつつ、主人公の貧しい少年が一人前の紳士=キングスマンに成長する王道の物語性だと思いますので、前作の設定を実質リセットさせて再構築する流れはやり過ぎ感はありました。勿体ない。

あと、期待通りに「アメリカすぎる」ステイツマン陣営は、局面的にはアガる場面を作り出したものの、深掘りというか、逆に捻りが欲しかったかも。チャニング・テイタムの使い方は間違ってないとは思うのだが、スクリーンで馬鹿さ加減をもっと見たかった。それは、ハル・ベリー然り。

余談ですが、上映後、口ずさんでしまう人を見かけてしまうほど、フューチャーされたあの楽曲はニヤリとする観客は日本限定で多そう。。