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キングスマン:ゴールデン・サークルのkomoのレビュー・感想・評価

4.2
【返り咲きの美学】

前作から1年後。キングスマンとしての出で立ちが板についてきたエグジーと、新たに出現した悪との闘いが描かれる。

1作目の方が人気が高いようですが、自分はこちらの方がヒットかも……!
その要因は、本作で新たに登場する諜報機関『ステイツマン』がツボに入りまくったからです。酒の名前を冠したメンバーたちのキャラの濃さ、そしてどこまでが敵か味方かわからない攻防。山小屋のシーンは息をつかせぬ展開でした。

そして1作目で散ったものと思われたコリン・ファースも再登場するのですが、その精魂抜けきった出で立ちにときめくコアなファンも多いはず…(笑)
そして本人役で登場のエルトン・ジョンのぶっ飛んだ役まわりにはただただびっくり。

そして本作の悪役もやっていることがワールドワイドすぎます!
しかしその野望は前作の悪役同様のシンプルさで、そこがまた良い。
グロシーンは私としては前作よりきつかったです。食事をしながらの鑑賞は全くおすすめできません。特に肉料理は……(笑)

また、序盤で王室の夕食に招かれたエグジーがリモートでロキシーから助言を受けるシーンがとても面白かったゆえに、そのあとの展開はこたえました。
そう、ロキシーファンの方は本作は覚悟してご覧下さい……(・_・、)

私は本作でマーリンが一番好きになりました。
しかし、カントリーロードへの印象が変わってしまった。

キングスマンシリーズは洗練されたビジュアルや、人間の死をあっけなく描くことからもドライな作品イメージがいくらかあるものの、その内側で登場人物はしっかり葛藤しているし、仲間の犠牲という悲しみを乗り越えて強くなってゆく泥臭さもあります。
挫折のあとに成長するエグジーや、再び前線に戻ってくるハリーの姿は、正に返り咲きの美学。

続編のファースト・エージェント、本来であれば今頃公開されていましたね…。
延期は寂しいですが、2月まで心してまちます!!
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