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ケンとカズのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

ケンとカズ(2015年製作の映画)
3.6


クズたちのろくでなしな人生の刹那的末路を描いた荒削りクライムバディもののヒューマンドラマ。

昭和臭プンプンの演技、今となっては韓国ノワールだってお目にかかれないようなベッタベタな演出。
しかしコレが逆に初発の情熱を120%の勢いで見せ付けられる妙な説得力を醸し出している為か、“ケンとカズ”の不器用な生き迷いと、もがきや足掻きにグイグイと引き込まれていく!
やってることはとにかくクズなのに、なんだかんだで奥歯を噛み締めながら観てしまう不思議な魅力を放った作品。

出てくる役者さんも皆さん存じ上げず、監督も存じ上げなかったが、この作品のもつ骨太なダークリアリズムは、確かに存在する“闇”や“滑落”の断片をギットギトに私の脳裏にへばりついて離れないほどに塗りたくってくれたという結論から、決してフロック作品ではないだろうと感じる故、以後の監督作品がやたらと気になるのも然り。




唯、
ちょっと大袈裟なBGMが作品のいい意味でのダサさを掻き消してしまっているのが気になってしまったのがとても惜しい。
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