leyla

走れ、絶望に追いつかれない速さでのleylaのレビュー・感想・評価

3.8
『ある男』で太賀の無駄使いをしていたので、太賀を有効活用した作品を観たくなり。

一番近くにいながら、友人の自死を止めることも、その気持ちに気づくこともできなかったことに後悔し、苦しみ、立ち直ることができない青年の心の痛みと、そこから再生するまでを描く。

希望の見える美しいラストだった。恐らく彼は一生、心のどこかにトゲが刺さった状態で生きていくのだろう。生きるとはそういうことだと思えた。

猫を抱く太賀、泣きながらご飯を食べる太賀、赤ちゃんを抱く太賀、自転車に乗る太賀…どの太賀も見入ります。

監督の経験を作品にしているとのこと。

最小限のセリフで描いた繊細な心象風景と青臭さのある感性、死がまとわりつく感じが好みでした。
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