魔女の疑いをかけられ
拷問を受ける妖艶な修道女、
時空を超え
廃墟と化した同じ場所にひっそりと
身を隠し 夜の賑やかな街を彷徨う
バンパイアの老人
時間をまたぎ何の接点をも見いだせない
ふたつの物語は
平行線を保ったまま
静かに幽玄なラストを迎える
このまったく交わらない
真っ二つに分別された物語の潔さは
この監督さんの持ち味なのでしょうか、
他作品も気になります
残酷ななかに漂う厳かな教会の空気と
緑豊かで瑞々しく
切り絵のように美しい情景
絵画のような姉妹との妖しげな癒しの絡み、
女性コーラスの 悲しみを纏った
透きとおるような歌声、
拷問のシーンでさえ
アートのように幻想的で
悲しみのなかで浮かべる謎の微笑みに
苦しさを忘れて見惚れてしまう
光の差す ふたつの物語のラストシーン。
神々しい光景に気持ちが震えました、
震えすぎたかもしれません❕
合間に世界観の異なる退廃的な現代パートが
挟まれ 意味不明のパンチを食らったぶん、
ラストシーンがより神秘的で
鮮烈な印象を与えていた気がします、
恐るべし
彼女はやはり魔女だったのでしょうか…
それとも長い苦しみ、絶望から
魔女として生まれ変わったのでしょうか、
幽閉されたのち 長い年月を経て
まるでキリストの復活を遂げたかのような
独特な魔性の輝きを放つ解放シーンの眩さに
思わず目を奪われる、
この場面のための作品であったかのような
忘れられない衝撃でした
これって納得のいく考察って
あるのかなぁ…