『メトロポリス』の
フリッツ・ラング監督初期作品。
ドイツ版『蝶々夫人』。
19世紀後半から続いてきた
ジャポニズムの、一つの到達点。
大名の娘
↓
尼僧(巫女)
↓
吉原の茶屋娘
↓
外国人の現地妻
とローリングストーンしてゆく
ヒロイン、オタケサンの
数奇な運命。
海軍士官の火遊びから放置
された後、高貴な身分の
男性から求婚されたり、
国元の正妻にまでも情けを
掛けてもらいながら、
「恥辱に生きるより名誉の死」
と、父同様ハラキリを選ぶ。
正妻がとても理解ある優しい
女性で、浮気相手である
オタケさんの立場と心情を察し、
アホな亭主に替わって、子供を
引き取るとまで申し出てくれる。
普通、無いよねぇ。
民俗博物館から日本の衣装や
小道具を借りて、ベルリンで
撮影したとか。
ラング監督が日本大好きだ
って事は良く解った。
『スピオーネ』でも日本人に
ハラキリさせてるし。☆
【その他の特筆点】
▼呼び出し合図はドラ
▼外交大名の父の土産は
トランク入りのテディベア
▼大僧正の石造寺院(神殿?)
▼イカツイ顔の大仏
▼実は長崎にあった吉原
▼子供の手が容易に届く所へ
置かれているハラキリ刀