emily

正しい日 間違えた日のemilyのレビュー・感想・評価

正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)
4.1
ホン・サンス節炸裂。長回しと不必要なズームアップ、映画監督との恋。とりとめ新鮮味のないどこにでもある話を抜群の配置とユーモアで描くホン・サンスならではの世界観。

ドキュメンタリーを思わせる自然体の会話、男女の距離感も長回しの中でよく特徴が出ており、ほんのすこしの違いで同じ物語が全く違うものに仕上がっている。お酒を呑んで本音がこぼれ、ぐだぐだになって失敗して。

あの時はああしてれば、あの時こう言ってれば。誰にでもあるたられば話。しかしうまくできないからこそ人生は愛おしい。失敗して後悔して、だからこそ人間らしくていい。正しくなくてもいい。間違っていてもいい。情けなくても、失敗してもそれもまた人生。毎日同じようなことの繰り返しだが、毎日何かしら違うことは起こるし、その中から幸せを見出すこともできる。また、人は簡単に学ぶ子どできず同じことを何度も繰り返してしまう。情けなくて滑稽な生き物だが、それもまたかわいいのだ。
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