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百日告別のan0nym0usのネタバレレビュー・内容・結末

百日告別(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

とても丁寧に惜別を描いた良作でした。

大事な人の時計が止まってしまって…
でも、いつも通りに時は進む。

その狭間に迷い込むと…
哀しみに囚われてしまう。

誰かの優しさにさえ痛みを覚える。
世界で自分だけが苦しい。そんな錯覚。

もう居ないのに、探してしまう。
もう手に入らないのに、求めてしまう。

誰かの持つ欠片に、面影を探したりもする。
馬鹿げた行いに逃げてしまうこともある。

だって、しょうがないじゃないか…

自分の中にあるものには…
自分でしか、向き合えないんだから。

でも、進む日々に視野狭窄は解けて…
名残惜しいけど、世界は色を取り戻していく。

寡黙だけど、心に対して饒舌。
柔らかな余韻が、とても心地よい。

誰だって痛いのは嫌だけど…
いつか、その痛みを味わう時が来る。


泣き喚くのは…無様でも、可哀想でもない。

それができる人はきっと…

生きるのが上手なんだと思う。


本当は、無理して自分の心を邪魔してる方が…
壊れてて、愚かで、惨めなんだから。
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