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劇場版 selector destructed WIXOSSのEegikのネタバレレビュー・内容・結末

劇場版 selector destructed WIXOSS(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます


ウィクロスなんも分からん状態でみた。TVシリーズも未見

なんか最後のほうめっちゃエモくて草
ツインテールの制服少女、青空、屋上・・・う~んエモいっ!w
最後のタイトル回収もかっこいいですね。

ウィクロスが盛り上がってきたときに流れるクラブミュージック調のBGMも(ダサ)カッコよくて好きだった。

CV久野美咲キャラが主人公の涙を舐めて拭きにいく……『アリス
とテレス』やないかい! 『さよ朝』の前からマリー作品に出てたのか。

なんか意外と面白そうだった。TV版もいっさい見てないので、「面白そうだった」としか言えない他人事のまま終わってしまったのは残念だったが、じゃあ今すぐTV版を見るほどくらったかといえばそうでもなく……。

TV版『ブラック★ロックシューター』でも感じたのは、岡田麿里お得意の思春期の少女たちのドロドロぐちゃぐちゃの感情のもつれ合いを、そのまま現実世界の恋愛や殴り合いや駆け引きで見せてくれるのが好きなのに、ファンタジックな抽象世界やルールの決まったカードバトルといった枠のなかに置き換えて展開されるのに100%は乗れなくて、すごくもったいない……ということ。(私は「バトル」が、そして戦闘美少女/魔法少女モノが苦手なのだ。)

だから、その抽象世界/ゲームの枠が軽やかに崩壊したときが、いちばんテンション上がる。具体的には、バトルが中断されて、歩道橋で向き合う2人に工事のおじさんが「ダメだよ~ここ立ち入り禁止だから」と言うシーンがこの映画でもっとも面白かった。あとは、ウィクロスせずにお腹に思い切り膝蹴りかますとか、ペンで刺して流血させるとか、物理ファイト系もおもろかった。ようはウィクロスを真面目にやっていない/やれていないシーンが好きだということ。信号待ちの横断歩道で自ら轢かれにいくも、見知らぬおっさんに助けられて逆ギレするくだりも可哀想すぎてくそ面白かった。ウィクロスは子供(女学生)だけがやっているので、彼女らの外部に置かれている大人(おじさん)たちが関わってくるとウィクロスが毀損されて(個人的には)面白いことになる、という構造。欲を言えばもっとWIXOSSをdestructしてほしかったですけどね。そこはカード販促アニメの限界ということで……。


少女のひとりの苦悩が「世界がわたしを完全な独りにもさせてくれない」ことなのはかなり興味深い。どうしても優しい他者が中途半端に自分を救ってしまうことへの苛立ち。『パルフェ』の「世界はあなたが思っているよりも、ほんの少しだけ優しいんだよ」にも繋がるが、「ほんの少しだけ」な部分に憤る思春期の少女。うん、それでいいんだよ。
これは少女(セレクター)達だけのウィクロスバトルに外部からの邪魔が入る、という展開ともアナロジカルに対応している。
ただ、この苦悩への最終的な解決策が「中途半端に助けるだけじゃなくてずっとあなたのそばにいるよ」なのはう~~ん……。1対1の運命のカップリングの称揚、というのは岡田麿里らしくない気もするが、あんまり真面目に見てなかったからまだ分からないな。

セレクターとルリグ。生身の少女とカード内のキャラクターが、ウィクロスでの勝利に応じて入れ替わる構造はいろんな意味でおもしろい。単純に、さっきまで制服きてツンと澄ましていた黒髪ロング少女がルリグとなって痴女みたいな恰好してるのとか、悪堕ち性癖にきますよね。敵/味方がよく反転するのもそう。
ウィクロスカード内のキャラを虚構存在とすれば、生身の人間とフィクションのキャラクターが可逆的に入れ替わる設定は、『アリスとテレス』の設定にも通ずるところがあって面白い。(というかこっちのほうが進んでる?) 身体が光って透けたりもしてたし。

最後まで誰が誰だか全然把握できんかった。外見とCVと名前がめっちゃ錯綜して入れ替わったりミスリードしてたりするので仕方ないか。
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