『日本と原発』を観られていないのだけれど、『太陽の塔』のDVDを観てどうにも原子力のことが改めて気になり鑑賞。
人類が手に入れた人工太陽とアイロニカルに表現されていた核エネルギー。
核の炎で国土を破壊され、国民を焼き尽くされた唯一の国に戦後間も無く、高度成長のどさくさに紛れて?原子力発電所が建設されたのは何故なのか知りたくて。
万国博覧会で始めて供給されたらしい原子力エネルギーによる電力、人類の進歩と調和なんてのは世界中がグルになったとてつもないプロパカンダだったんじゃないかと恐ろしくなった。
映画は今も線量が高く、避難、家族離散をやむなくされている被災地の人々…っていうか被害者ってニュースとかで言わないのなんで?…の日々の苦難、未来への不安と寄り添い、東電や国を相手取り、裁判に奔走する弁護団たちの記録を軸に進んでいく感じ。
原子力ムラのあいも変わらぬ天下り体質、なぁなぁな経産省と経団連、電力、建築、金融産業との関係とその享受を残念ながら受けていた行政や設置された土地の人々。
1000年の植民地…東北のことそんなふうに思ったことも発想もなかったけど、中央集権国家にあって虐げられ利用されてきた東北の現実、エネルギー供給における東北、北陸の割に合わず背負わされたリスクとか…
戦国時代には国はバラバラだったんだしなぁ…天皇制の存在は大きいと思うけど、単一民族だと思っていたこの国でさえも色々と複雑らしい。
核や米軍基地を手土産に社会主義国家やアメリカに寝返ったりしたらどうなるんだろう?なんて。
こういう開国要求にもにたとんでもない外圧がかかっていたり、それに屈して有り得ないスピードで法整備が進む違和感は郵政民営化とかTTPの時に物凄く感じだけど、今以上に情報のない時代、大学の先生だ政治家だに安全だクリーンだ人類の進歩と調和だなんて言われたらのぼせ気味に盲信してしまうのは国民として無理もないのではと思う。
どっかの新聞社の元ドンが核エネルギーの黒幕なんて話も読んだことあるけどバッチリ出てたし…。
分かっちゃいるけど辞められない♫
不可逆的に膨張し続ける核エネルギーに似たブレーキなんて誰も用意していない世の中のシステムではもうどうにもならないのかななんて悲しくもなった。
今も国内にある54基の原発…そんな悲壮感にもしかしたら続編の『日本と再生』が光明をもたらしてくれるかもしれないので観てみることにしたい。
あとは作中のコメントやらのメモ…
この映画の目的は、
日本における原発の全てを描くことにあります。
この映画は、原発についての
報道・広報・広告の紹介、参照、論評をも目的としています。
2015年7月25日13時
東京都新宿区
放射線量0.0319μSv/h
同日同時間帯
福島県双葉郡浪江町
5.0μSv/h
撒き散らしたセシウム137は広島原爆の168倍
菅直人首相の東電発言
これらを放棄した場合
何ヶ月か後には全ての原発
核廃棄物が崩壊して放射能を発することとなる
皆さん萎縮しないでくれ
必要な情報をあげてくれ
金がいくら掛かっても構わない
東電がやるしかない
日本が潰れるかもしれない時に
撤退はあり得ない
有識者コメント
原発は
自国にのみ向けられた核兵器
敵国のために提供している核弾頭
科学・技術進歩の一般論を原発に当てはめるのは誤りだ
原発は事故の検証すら出来ない
被曝を恐れている人々をナンセンスだとしている今の風潮はおかしい
放射能を恐怖する人の心というのは抑えようのないもの
心配する心
それに対してバカなのだということは人の心を無視している