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きらめく拍手の音のandhyphenのレビュー・感想・評価

きらめく拍手の音(2014年製作の映画)
3.2
コーダ(Coda,Children of Deaf Adults)という言葉をこの映画を観る前に初めて知った。
音のない世界を生きる両親と、そのもとに生まれた音のある世界の子。
監督自身の両親を中心に映すこの映画は、決してわかりやすくはなかった。各シーンは断片的であり、良くも悪くも非常に私的だ。それがこの映画の魅力でもあるのだが。
音のない世界を生きる両親はとても饒舌で、感情豊か。非常に確固たる世界を持っている。その強さはとても伝わった。
監督の抱える「沈黙の世界と喧噪の世界の間を生きる」葛藤も考えさせられた。「障害者の両親」を特別な目で見られ、早く大人になりたいと感じる感覚。自分を抑制する術を身につけるという、同年代の子らが考えなくていいようなことを抱えるというのは「きつい」だろうなと感じた。
手話が私たちが普段語る言葉と同じように「言語」と見なされていけば沈黙の世界と音のある世界の間は埋まってゆくのかもしれない。
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