いかえもん

ラーンジャナーのいかえもんのレビュー・感想・評価

ラーンジャナー(2013年製作の映画)
3.3
JAIHOさんでインドの映画が配信されると問答無用で見るようにしてます。
前情報なしで見たので、物語の展開がいつも以上に大胆に感じた。

幼き日に、この女の子を一生愛そうと決めた男の子の一生を描いたお話なんですが、二人の間に横たわるのは宗教と身分の違い。彼女は裕福なイスラム教、彼は貧しいヒンズー教。
正直、私このあたりの貧富の差と宗教の違いの関係性がきちんとわかってなかった。あれ?イスラムの方がインドでは迫害されているんじゃなかったっけ?ってなりました。地域によって違うのかな…。

で、とにかく彼女を愛するあまり、彼が彼女の目の前でリストカットをしたことから、彼女は実家を離れて叔母のもとへ送られ、数年後実家へ帰ってきます。彼女をずっと待ち続けていた彼は喜び勇んで彼女のもとへ駆けつけるのですが、彼女は彼のことをすっかり忘れていた上に、大学で、共に政治活動をする好きな人がいてその人と結婚するのだと。悲しみや嫉妬、彼女と釣り合う彼の境遇に彼の心はズタズタに。しかし、彼女の婚約者のある秘密がわかり…。

うーむ。主人公の男性クンダンの愛を純愛とみるか、そりゃ一人よがりすぎだろ!とみるか。すっごい微妙なラインだわ。
私は、ちょっと一人よがりすぎるよなぁと思った方で、このクンダンもあんまり好きになれなかった。それにもまして、クンダンが愛するゾーヤーの、男を上手く利用するずる賢さも天然ではなかろうと思えて、好きになれなかった。
…と書いてて思ったけど、登場人物の誰も好きになれなかったなぁ。宗教や身分の問題のように描かれているけれど、個人の性格の問題では???とか思わなくもない。

ただ、誰かを狂おしく愛しても決して振り向いてもらえないのは、どこの国であろうが、いつの時代であろうが悲しいことに変わりはないね…。