めしいらず

バジュランギおじさんと、小さな迷子のめしいらずのレビュー・感想・評価

2.8
この娘を親元に帰してやりたい。パキスタンの山村に住まう唖者の女の子が、隣国インドにある霊験あらたかな寺院での願掛けからの帰りに母とはぐれる。偶然彼女を見つけ窮状を知った主人公が、持ち前の善き心に衝き動かされて動いてみるけれど、唖者であるが故に難航する。対立する国家間の壁。宗教の違いの壁。主人公は遂に不法入国に踏み切るけれど、上にバカがつく正直者であることが事態を更に難しくし、彼らはスパイ容疑で追われる身に…。でも彼のそのバカ正直さが行く先々で出会う人の善き心を繋いでもいく。言ってみれば最初から大団円が見えているタイプのベタなお話であり、そこから逸れる所がない。でもそれがそんなに嫌でないのは、国家や宗教に対立関係があっても、一個人の中にある良心には違いがないことを作り手がちゃんと知っているからだろう。加えて女の子のとびきりの愛らしさが(些か狡くもあるが…)観る者の心を絆さずには置かない。ただ、内容に比して長尺に過ぎると思う。演出がくどい所為か…。また好みの問題ではあるけれど、やたらと長い歌と踊りのシーンはやっぱり苦手。
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