ボー

バジュランギおじさんと、小さな迷子のボーのレビュー・感想・評価

4.6
 起こってほしくないことが全部起こるが、起こってほしいことも全部起こるのでトータルでハッピーエンドに漕ぎ着ける爽快作。
 現場レベルの人間はみんな自身の誇りに基づいて行動していて、分かりやすい悪役はいない。バジュランギさえ"自身の誇りに基づいて"異教徒のお嬢さんを遠ざけようとしたのだ。(鑑賞後に思い返すと、パキスタンの誇りのためにバジュランギを苛烈に追う刑事を悪役にはしない伏線とも考えられる。)
 誇りにより行動する勇気を気高く描く一方で、誇りがもたらす別集団への排斥を直視し、しかし異なる誇りを持つ人々が愛により連帯する。集団としての誇りではなく、善良さのための誇りを。とても力強い作品だった。
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