らんでぃ

バジュランギおじさんと、小さな迷子のらんでぃのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

宗教的・政治的に激しく対立する隣国同士のインドとパキスタンを舞台に、インドの気のいい青年が、迷子になったパキスタンの少女を無事に母親のもとへ送り届けようとする話。

今まで観たインド映画に共通して言えるのが全部のシーンが面白い事なんだよなー。こんなに長いのに最初から最後までずっと飽きない。正直言って崇高な映画の絶妙な間、なんてものは俺にはさっぱりわからねえんだよ。いつでも何処でもわっしょいわっしょいしてる方がずっと楽しいだろ。
ストーリーもシンプルながらもインドとパキスタンという根の深い国同士を舞台に物語が繰り広げられているのでいろいろと考えさせられる。ってかこのプロットずるいでしょこんなん面白くなるに決まってるわ。
キャラクターもどいつもこいつも魅力的。特に後半活躍したTVリポーターのナワーブはMVP。別に目新しくもないしよくいるようなキャラなんだけど、結局こういう小賢しい感じの小物っぽいキャラがいつの間にか主人公に絆されて仲間になって熱いところを見せてくれるのが好きなのよ。心に染み付いてるんだ仕方ない。
ラストで親子が出会って終わりかなと思いきや最後の最後で圧倒的物量で攻めてきたラストシーンも頭が悪くてとてもグッド。でもただのインパクト狙いではなくてそこにしっかりとメッセージ性があるのも素晴らしい。国境を挟んであれだけ人がいると国と国を意識せざるを得ないもんね。魅せ方うまいわ。
そっからの展開なんてもうベタベタのベタなんだけど、見せて欲しいもの全部見せてくれるんだから文句言えないでしょ。最後の謎ストップは笑っちゃったけど。
唯一気になってしまったのは、バジュランギが嘘をつかず人のために頑張ってるのは神の教えに従っているからってところが大きく、神を信じているって部分が彼の1番のアイデンティティになっているためにバジュランギ自身の心が深く見えてこないところ。その純真さこそがバジュランギなのかもしれないけどさ。そのバジュランギが最後に違う神様式の挨拶をしたのも胸熱なんだけども!だけども!結局ベースは神様なんだなぁと。まぁそこは宗教観の違いだよなぁーと思ってグッと噛み締めようと思います。
インド映画のパワーをまたしても見せつけられてしまった感。
らんでぃ

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