日下勉

バジュランギおじさんと、小さな迷子の日下勉のレビュー・感想・評価

5.0
フォローしているレビュアーさんのレビューを拝読し、劇場へ駆けつけるようにして鑑賞。
物語はパキスタンのカシミールの山中に住んでいるしゃべれない女の子(シャヒーダーちゃん)を母親がなんとかしゃべれるようにとインドの聖廟まで願掛けに行くが、はぐれてしまいインドにひとり取り残される。その女の子を敬虔なヒンズー教徒のパワンがパキスタンの親の元へと届けるという話。

これは、凄い。映画としてのエンターテイメントの要素が完璧なまでに昇華されている。まずカシミールの風景の美しさにやられ、女の子がはぐれてしまう一連のシークエンスの見事な繋ぎ。そして圧巻の歌と踊り。随所に挟まれるユーモアに包まれているけど、ヒンズー教とイスラム教の違いとわかりあえない断絶も実に上手く表現している。ラストは大仰なほどのベタな感じだけど、これはエンターテイメントとしてとても正しい。やっぱ、泣かせてなんぼでしょう。
あとシャヒーダーを演じたハルシャーリー・マルホートラちゃんがとてつもなく可愛い、可愛い、可愛い(大事なことなので三度言います)
山形のイオンシネマ天童で鑑賞したのだけど、観客はわたしひとり。ひとりで声を出して笑い、歌に身体を揺らし、そしてひとりで泣いてととても贅沢な3時間でした。
インド映画、すげーわ。
日下勉

日下勉